インプラントにも失敗のリスクはあります

他の歯科治療と同じように、インプラントにも失敗のリスクはあります。
どのような失敗が考えられるかというと、人工歯根があごの骨に定着せず脱け落ちてしまう、力をかけたことで人工歯根や義歯が破損するといった人工歯そのものの問題、細菌感染やアレルギーなどの理由で、あごや頬の痛み、腫れが起きるという問題、あるいは歯並びが悪くなる、あごの骨が変形するなど見た目の問題が起きる可能性もあります。リスクをできるだけ減らすためには歯科医はよく考えて決めてください。治療を始める前に必ず知るべきことですが、インプラント治療はかなりの費用を要することは確かです。
健康保険が使えることもまれにありますが、厳しい条件を満たさなければならず、検査など、治療の一部しか保険がきかないのが高額の負担を強いる原因です。
安い材質、安い治療で済ませても十数万円、難しい治療を受けるケースでは数倍の費用がかかるケースもあることを覚悟した上で始めなければなりません。
どんな方にもインプラント治療が良い訳ではありません。
ブリッジや入れ歯など、他の治療が困難な方に適用されます。周りの歯が、クラウンやブリッジの支えにはならない、噛み合わせや、噛む力が義歯では得られないなどでインプラントしかないとされるという患者さんに適用されるのが普通です。インプラントは人工歯根をあごの骨に埋め込んでいるので、自分の歯に近い噛み心地が得られ、食感がしっかり伝わり、美味しく食べられるようになります。
数々のインプラント治療の問題点について、皆さん、入念に調べたと思います。問題の一つに、インプラントを埋め込んだ後、頭部のMRI検査はできなくなるという問題はありませんでしたか。
それは本当のことではありません。確かに、MRI検査では磁気を使うので当然、金属は磁気に反応して必要な画像ができません。
ところが、インプラントの場合はチタン、あるいはチタン合金でできているのでチタンの特性として、磁気には反応しないためなので、MRI検査には影響ないと考えてください。
インプラント治療は多くのケースでとても有効ですが、マイナスの部分も理解しておきましょう。
まず、他の歯科治療と比べても費用がかかることです。ケースによっては数十万円の負担になることもあり得ます。
加えて、治療が失敗して健康被害が起きると、かなり深刻化する危険性も承知しておいてください。
障害が残るばかりか、死亡事故も実際に報告されています。